「すもも 5歳」

Photo
 Yukiko-KUROKAWA




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掲載されている写真の撮影者と詠み人は同じです。

2008年6月に詠みし歌





部屋中に満ち溢るるや鐘の音はフジコ・ヘミング ラ・カンパネラ



きょうも動物を詠める
白くまは巣穴の中の双子です 小さな目 四つ大きな目 二つ





ショパン弾くフジコ・ヘミングのその音色 越ゆるものなし あのコンクールとて


目の前のものを詠める
生わさび おろしにんにく しょうが・塩 絵の具何描く食卓カンバス





奇事変事誕生日にこそ発生す 咲き乱れるなマーガレットよ


フジコ・ヘミングは我が家で 唯一無二のピアニストとして尊敬されています。
数奇の人フジコ・ヘミング美しき 全てを許し包む 鐘の音


誕生日の頃、浜グミはたわわに実ります。
完熟の浜グミあまた頬ばりて舌先になぞる 星がたのたね



体調の悪しき時は来院せよ 悪しき時こそ行けぬ病ぞ



強力なバポナにも巣を架ける蜘蛛 命知らづか呆れる勇気 



バカボンのパパの仕事は造園業 きっと隔世名を継ぐならわし


今年の2月、胡蝶蘭を拾いました

拾いてし胡蝶蘭の鉢植えに 小さな芽出づるこっそりと出づる




青春は胸の棘さえ気にならむ 今耐へ難しささくれさへも


臥せって 猫を見ながら詠める
モモりんはもうすぐ五歳人の歳では三十六歳 甘えの達人



みるりんはユキりん黒りんの間をば行ったり来たり そよ風あびて




                 
うるわしき大和の国の山脈は 白雲 帯びて連綿と走る


四面楚歌を読んでみました
覇王ひとり美姫かき抱き 狂おしく「虞や虞や 汝を 如何せん」

 

フランソワーズ・サガンという名に憧れて小説読めり ブルジョア・エアー


世間の嘲笑を悲しみて詠める
パタリロをあだやおろそかになされるな 英知と勇敢そのあと涙


願望?
どこまでもどこまでも澄む水底は私の住みか 山椒魚と




久し振りの寫眞関連の珍本
ヤフオクで落札せし本届く昼 小踊りするや空に雲浮く


図書館から借りてきた本15冊なり 心豊かに過ごせし日曜
茂吉「赤光」患者 詠む歌我を見む 絹雲のごと高かれよ空


ヤフオクで、Nikonの古き銘レンズ入手の顛末・・・
銘玉を競り合ふ数字見えぬ敵 これでどうだとエンター叩く


朝毎にガラスに残る水滴は梅雨入りせしか 星穴漏れり



爛漫の春に 百花は繚乱す 否  菖蒲咲く水無月こそ 爛


応援の蛮声虚しく風に乗り 惰眠むさぼる我に届かむ


船乗りのシンドバットの冒険に 子クジラがいたらさぞ楽しかろう



朝のマクドナルドは異国情緒たっぷり
「オハヨウいらっしゃいませコンニチハ」ってマック帝国 ドライブスルー



「たら」「れば」は歴史に無いというけれど レバはともかく鱈は有ったろに


その昔 下北沢の県人寮にて
ふるさとの訛り直せと彼はいう 我も分からぬ発声法で


むかし昔、床屋で受けた 小さな仕打ち
後ろゲホバリカン止まる凸ありて 舌打ちに傷 子供の心




放課後は友と集いてリリアンす 何を目指すか互い はげまし



このたびの遠足先は大古森 うちのすぐそば弁当むなし



ブリッジをやればチップは集まりて ねたみ買えども止まぬ博運





あかね差す紫の空青味れば 窓から出づるラ・カンパネラ


目に沁みる空の蒼さが入り込み もの色冴えし東向きの窓


東尋坊を夕景をTVで観て詠める
夕暮れる柱状節理波あびてオレンジの線 石の触覚

     
小さき鍵ポケットに入れ妻娘(ふたり)と出る 光弾む久し振りの夜




拾い来しカポックの木はたちまちに 新芽立ち上げ喜びに満つ


そこここに行き交う人を眺むれば 幸せの微塵隙隙に詰まる


夏の友ドリルもなにも出来てなく 熾烈な一夜白々と明く





カナダより友たづね来し 後輩呼び16に戻るり夏の華やぎ

秋田南高 剣道部


その昔ピアノ奏でしシューベルト 清き小川に「ます」は乱れて



明暗の輪郭優しき公園に ラ・カンパネラ重ねて居りぬ


染みつきし稼ぎの臭い気にかかり 変色したる香水はおる



おたまじゃくしページめくれぬ「父帰る」水ぬるむともあとから出る手





「スイカ・ミント」デザートの名に期待寄す娘の心 みずみずしと思う


ごほうびのバラの花束おすそわけ 五本の命水くぐらす娘






デジタルにいにしへのレンズ装着し経た時空(とき)想ふ現在(いま)を写して




古きレンズ合焦したる像想ひ 鏡胴の文字愛でる我あり

 



ホタテには海での暮らしトマトには炎暑の畑 彩りの皿


うまし豆食みしさなかにぐらりんこ 箸置くか否か本能に訊く


本能は逃げよと答ふ ふためいて「逃げよう」と言へば君泰然とせり


泰然としたるそなたは愚か賢か メール作りにしきりいそしむ

トイレにトラブル発生
痛恨の休業となる土曜日は 輾転反側のがした狸




ブラットは「リバーラン・・」にて ジェームスディーンを演じた様に見える我

   




昔、一家で山で暮らした事あって、思い出しました。
流れ星蛍の水に子の歓声 夏の夜の夢静かに暮れる


てんと虫草の先から伝らせて手の甲に乗せて かわいがってる娘 




深海のサメのエキスを飲みし朝 息吹き返し浅瀬に浮くや



夕べ見し薔薇の花びら反り返り 蕾は膨らむ朝の光に



陽は昇りニュース読む中光り満ち 壁の淡きに心やはらぐ

 



街庭の百種の花木植えし奥 風吹きよせて万香薫る


歯医者さん帰りの自転車フルにこぎ 遠回りしてさめエキス買う



キューピーの三分間クッキング レンジで五分って違うんじゃあないの

                                         
遠景色霞みて見える山並みに 明日は晴れと観天望気




いただいたカレーのご飯おいしいな なにやらわたしの知らない香り



「山」シリーズから・・・
青空にすれすれに高き鳥海山 ふもとに建し赤葺きの家



私たち家族は、高原に移住し、ほぼ4年、自給自足の生活をしたことがあります。
この赤い屋根の家は私たち夫婦が建てたものです。
写真をクリックすると、その頃の話のページに移動します。


家の西に、ここより100mほど高い、仁賀保高原というのが有ります。その海抜は550mくらいでしょうか。
その下の海沿いには、国道7号線が有り、夜にはそこを走る車の明かりが空に反射し、
周りに明かりの無かった家からもそれが見えました。

山の夜の天光の流れ目で追いつ 海沿いの町に住む人想ふ

 浸透圧 光は逃さず地下道へ 青き滲みを光画は捕らえり




常夏の印度の孔雀白ばかり夏服一着 着たきり雀



よじれるよ昨日は「唖然」だったのに 人気が出ると笑っちゃうなんて


彩画堂土日もやると渋い顔 「郡部の人来る」郡部って言った

花々もほぼ終わりなる街庭は 人心地して緑陰に寝る




去年咲きし向日葵の花追陽する準備整へりたがわぬ所で



はつ夏の土手を歩みしシルエット 皆影ちがへど夕陽を見ながら



何故か知る西班牙国ではかう言うらし 白い風車はモリーノブランコ 





油揚げ焼いてカリカリ旨いけど ディナーとなるといきなり哀愁



ダイソーのすだれと肥料の向かいにて まばたきもせずアイ・メイク選ぶ

 




来院し待ち人少なし早き予感当たるか否か 小雨の中庭


予感はづれ後に来し人先に行き疲れは溜まり 陽差す中庭

 



胸の奥心配事を入れる池 小さいけれどいっぱい入る


伸び悩むカポックを切るばっさりと 新芽いで来よきっといで来て





「らすかるズ」

「荒いグマ」と言う人がいてびっくりしたが、自宅の破損状況を見れば、それも有りかな、とも思う今日この頃。



で、名前シリーズを二つほど
アペン君と呼ばれしをのこ帰国子女 アイ・アム・ア・ペンで英語零点


白ワイン「ワインレッド」と呼ばれたし ロゼと成りせばニューハーフか


ネコシリーズもふたつ
モモりんに利き腕訊かば 絨毯でコロンコしては挙げる左手


ネコ部隊 手伝う気など無いけれど落下傘にて急降下中



我家には気恥ずかしいよな紅薔薇は ブルボン王朝最後の嫁似


活気づくてんてこまいの座標にて手を貸す気なし 落下傘猫



信州はイカソーメン食い初めの地 海辺の街に住み海無しの県で


真夏日に白馬岳に浮かぶ月 アポロ11号月面到達


青空に白馬の稜線光る汗 合宿の地に涼風嬉れし



三蔵の法師立ち寄る王城はバーミヤンの遺跡 砂嵐吹く




十五の頃試練乗り切る呪文唱ふ 「どんなに長い日もいつかは暮れる」

今は思うのですが、夕方になって一日が終わるという解放感はたまりません。



「暑いね」と話しかければ「暑いね」と答える人がいる それ程の夏





朝顔が ひとつふたつ咲いている脇を通ってラジオ体操


子だんごむし小さい殻を脱いでいる 餌はあるのか鉢植えの中で


じゃりみちを踏んで家路についている 電灯がつき影もデコボコ



  

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