『赤い薔薇咲く バルコニー』

Photo by Yukiko KUROKAWA.




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掲載されている写真の撮影者と詠み人は同じです。

2009年1月に詠みし歌






新年に 寺に集える善男女 我より遥かに若き人々





風向きで 梵鐘聞こえる年もある 今宵は風も煩悩も凪





ケータイの 日付も 一月一日と いつしか変わって 晴れがましき年


一年のにごりを脱し 今日となる 新しき年 違うスタート






穏やかな 元旦迎え 温暖化 雪国なれば これもいいとも


雪も無く 降る気配すらなく 風も無く 夜明けの街に 響く歓声


遠くから 鐘の音聞こえ 賀詞交わす見ず知らずびとで 社殿は賑はふ


元旦の「朝までテレビ」交はす声  眉間に皺し 空論続けむ


真っさらな 暦に早くも 丸付けむ ぎすうざへう ご予約じるし


子狐の 傷癒えて戻る 舎の母に  舐められごろん それでもなおと
 



元旦に ケータイ大喜利一人見る 結構至福 レジェンドい出よ






元旦は たゆたふ舟に乗りし我 翌日緊張 大舵切りて







仕事初め 予約のお客 有り難き されども 向かふ足重かりき


海老フライ 揚げて息子の帰り待つ こらえきれずに 二本食べた






仕事始め 大汗小汗 予想外  こいつは春から 縁起がイイわい


赤色の ペンキ剥げたる ベンチあり  冬の陽当たりて コーラ浮き出す





言魂を 忘れて永き 年月を 今は刻んで 胸におくべし


美しきものを眺めて 読んで 聴き 心を洗浄 今 吾に必須




正月にえさを見つけてカラス鳴く ごみ場のじいさん はやくも戦ふ


こんなとき 明るく元気に生きるのが 考えすぎより簡単かもね




この国が 貧しき時代に在ったといふ 日本の美徳 今蘇れ


二百グラム 辛子明太子買い求む それとしらすも 息子の好物




快調と 疲労困憊 冬型に 繰り返しおる 筋状の雲のごと


人見知りネコ慣れし頃 息子帰省 記憶に刷り込め ネコ好き息子を





友人が駅まで送り 子は帰る 良い友に感謝 未来明るき


子の帰省 往路復路も 好天気 荒ぶる精霊 離れたるらし





温泉に 三泊四日 一万円 なんでもいいから 倒れ込みたい

きのうまで 息子がいた部屋 も抜け殻 こんなになって 十年目の冬





龍泉閣 せきや山荘 貝の沢 名前がいっぱい 効きめ三倍




様々の思い諦め終る頃 寒月に鳴く 奥山の鹿


冬の雨 胸に優しく染み入りて あなたは悪くないよと リフレン






ついに来た ドカ雪の朝 やはり冬  油断のせいか 車埋まれり


らしくない 冬も良かったが 深か雪の 朝の景色に 見とれる我あり






あんな時もあったなと思う今 今をそう思う 時も来るらむ


訊ぬるに 今何時半? 半以外 答えに窮す 皆の顔かお





時忘れ 本を読んでる婆になる 三度三度の 飯も作らず


波静か 福音のごとく降り来たる 天使のはしごに 願いを告げる





時空超え 山で暮らした頃に行き 去る日は来るよと 我に告げたき

山堤 ぐるりに植わる満開の 桜はもう見ず 涙だまりを


我が猫は 子ども時代の飢餓故に 泡吹くほどの 過食やまざり


イギリスに 産業革命起きてのち 時の歯車 人を動かす





貧しくて 星観ることが娯楽なり 長じて息子は 天文学科に行かむとす





昨日付けし長靴の跡  さむかぜが鮮明にする凍てつく朝は



例外と ならず今年も雪が降る 週間予報のダルマ憎し




冬将軍 負ける事なきこのものを 神をも恐れず 人になぞらへ


あちこちで 雪寄せる音 響きけり 懐かしき音 冬ごもる町





ひと晩で こんなに降った 夜明けごろ 夢なかながら 心は弾む



 

ドカ雪も 濡れ雪なりし 溶け始め 早やしずくの音(ね) 聞こえるバスルーム


暴風雪の 警報朝から 発令され 時々陽差す 当たり前の冬



 


衿押さえ 足早に過ぎる男あり 寒さと戦う 他に念なし


声もなく 泣いて眠りにつくような 高貴な方の 歌の哀しさ

校訓は 玲瓏同気 校章は 雪の結晶 かく生きてみむ


仏国に 一度は足をつけたいと 思う我あり 滑稽なるかな


春来たらば 六郷に湧く清水の 霊力身に染(そ)め カフェに腰掛く





雪溶けて 靴跡・轍 露らわれて  交差したる 人・車の喧騒見ゆ 



しばらくは 星ともお別れ北の国 宝石たちは箱でまたたく


おだやかに しんしんと降るぼたん雪 温かなもの 心にもつもる



光射す 北国の冬の日曜日 何はせずとも 四肢の伸びゆく





音も無く 沈む雪にて 外気知る  静かなる路地 官庁の裏



巨大なる 柱状節離の水晶と 金のインゴット 夢何語らむ


切り花の つぼみは開き 淡き色 春の香りが 弱々とする






雨降りて 雪解け水の流れにて 春の小川を広げる如し


雪除せは 大通りでは 完璧に  路地は残して 気遣ふ風情

畑ゆき 我にくれむと穫った野菜 うず高く積み 父ご満悦


じっと見る 我が猫の瞳 その中に 我二つ映りし 値踏みされしか





凍り張りその下流るる 細き水 春の小川に 大寒の朝
 



真冬には 似合わぬ高温続けども 二日ばかりの大雪融かせず


山形の 田舎の小さな学校で 短歌習いて 五十路に楽しむ


花瓶にて色うすれゆく 赤き花 二十日の間 我をなぐさむ


ドアを開け 摂氏10度の中をゆく 春の流れも 鳥の音もせず


我が猫は 病んでひねもす夢の中 齢(よわい)十二は人でいくつや


我が娘 風邪も仕事も危機脱し 本日帰りは 多分遅かり



飲み屋なる 我が店を開けアルバイト頼みし あの学生よ 幸せならむ


病む猫は いつもの段差 自信なし なれない通路で やはり よれよれ


猫 快癒 積もりし雪の足跡に 幸せ感ず ともしび時かな



ローリエの葉の元はさめば 香り立つ 勇者の冠り 目鯛に添えらる


靴うらに 雪ボッコ付き 歩きにくし あの頃みんな ミツウマじるし



大雪におおわれた町 寒すずめ えさを求めて 高々あがる




蒼玻璃(あおはり)の地球儀越しに見る南米  西洋人の横顔に似む


六吋(インチ)雪積もりし朝  風も無く もの皆丸く覆われ和む


冬の女性 粉雪の中 歩みゆく  フードまぶかに 足元見つめ




街燈の笠に積もりし牡丹雪  裸電球の 熱に溶けつつ


降りしきる雪に光の三角は 静に点る街燈の白


卓上の液晶時計  音もせず刻む時間にチクタク合わす





てこずりし しめり雪の重たさよ きょうは緩んで跡かたもなし


もさもさと 降り積む雪は 音も吸う 耳とぎすまし わだちを歩く

「新聞に書いてあった」で みな黙る 時代は終り 各々ネット


給付金 決まったならば すぐ欲しい 買うか旅行か 現金家族

我が猫は 小悪魔の魅力有す美女 ほんとの娘 (こ)ならば 夜も眠れず






除雪車の 寄せたる雪は 凍てつきて 有り難さも 中ぐらいなり裏の路地






如月も カレンダーは雪景色 嗚呼 南国の椰子 島影に揺れよ


二百メートル 離れた場所でビル壊す 毎日揺れあり 地主違えど


カメラ機能 壊れたケータイ日々使う 不便なけれど かすかな負い目




友と暮らす 奥山荘が浮かび来る わが青春の マイ・スイート・ロード


広告の撮影のため 薔薇買いて 春の勝負を 優花に託す




  

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