「近所のケーキ屋さん」

Photo
 Hohnan-KUROKAWA






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掲載されている写真の撮影者と詠み人は同じです。

2009年2月に詠みし歌





あす朝は ケーキ屋さんの二階にて ブランチいかが? このごろ どうなの


キャンセルの後に 三倍 新予約 冬来たりなば 春遠からじ





如月の歌集の背景春めきて 連なるツララ 溶かし始めし


ご近所のケーキ屋さんの日よけには 南欧の色 安らぐ北国





子の頃は アリは友達と 巣を壊し 人生後半 命にぐっ と来る






朝方に すずめの声を少し聞き 他のものの息 久々感ず


夜になり 氷は緩み 雨となる 明日から春だと どんなに良からむ


雷鳴は 地を揺るがして 轟きぬ こんな夜中に 我が猫いずこ






北の町 娘がランチとりし店 我 若き頃 訪ねし店 かも


宮城県と いへば同じ東北なり 狩野 英孝の ドッキリ赤面






火の気ない 家に帰って 火をつけて 暖まるまで 秒針カチコチ


小雪ふる 二月の予約 有り難き 梅 桃 桜 一気に咲くらむ


鉢植えは 冬の部屋にて凛と立ち もう春かとも 聞かず 待ち居る




我が愛を 奪い合って 猫二匹 子供たちの 小さき頃想う


夢の中 怖いゾンビが飛び出して おもわず 「切」 押し 目覚める驚き


雪の下 枯れ葉が姿あらわして 去年 (こぞ) とり残した 葉っぱを拾う


泥かむる 除雪の山に散水し 表れきたる 美しき氷





短歌にも 王道ありしか 大賞は 明るき作なり 哀歌は難き


新しき 携帯電話 晴れがまし 娘のお古なればなりけり





雪下より パセリ、セルフィ-顔出して 青さを見れば 生える気十分





通院は み月毎なり喜びが ふた月後には恋しさに変化


携帯を換えた妻のがうらやまし 新機能増え 苦労を見れど



五七五 歌詠む我は 指を折り 言葉を探す 詠まずの七日分





渡り鳥 北を目指して帰るのか 二月の風を 三角に切り


真冬道 軽く埃を舞いあげて 我が家を目指す 衿はゆるめず


薫香は 春の部屋に満ち満ちて 薄紅の薔薇を芯に 渦巻く





紙粘土 叩いてちぎって 一日中 細工してた娘(こ) 夕方 熱出す

ケーキ屋の レジを手伝う男の子 透明マニキュア 店主の指示か


この店で 一番安い聖チョコは 千二百円選ぶ余地なし

うさぎチョコ 棒に刺さって片隅に 手に取りレジへ向かえば ぴょん



五十にして 立つなど無理と 若き頃 小さな幸せ これが「立つ」かも


時ならぬ 二月の夜の大雨は 雪ほど色なく さめざめと降る





スーパーの ねぎトロハートに型抜かれ まぐろの生涯 痛ましく思ふ


思ほへば 赤子の頃より器用なり チョコ作る娘の センスに驚嘆





一吹きで 真冬に変える雪乙女 天に住むらむ 地にも住むらむ


神社森 小さな村のお祭りに テキヤ来たりぬ 二組ながらも





手相見に バスに乗って会いに行き 事故に注意と宣託下る


久々に 駅前辺りに出かけたり 人かずまばら ここ山王よりも



早朝の街角のカフェに オレンジの光りは満ちて こころ潤す




一旦は春色見しゆえ  一晩で降り積む雪の白さに凍ゆ


モノクロの巴里の寫眞集注文す 藝術の都 行った氣分で







「車から離れなさい」と警告音 君こそそこは  違法駐車だ


地も天も ひっくり返して吹雪舞う ああこれが冬と どこか安堵す


こんな日に 予約のお客有り難き おんなじ言葉を言うは何度め






送別は 賑々しくも物悲し 流るる歌はなごり雪かな


歓送の 宴 華々し吹雪の夜 歓声 涙を 隠し過ぎ行く







曇りたる窓より見える闇の中 横なぐりの雪吹き通る夜


暖かき客席の人重なれり 外の吹雪と談笑の顔


ブラッサイの『やさしい巴里』をながめつつ 部屋温もるを待つ寒き朝




美しきカラー写真より温もれる モノクロ寫眞は遠赤外線?


四時五分『寫眞の幕開け』読みながら 夜の明けを待つ 如月半ば





言葉さえ凍って落ちるこんな日は 火燵にあたり 雪歌を詠む


葉先より しずく転がり落ちるとき 銀に震えて あたり吸ふらむ


濃緑 薄緑色 黄緑と 重ねて見いる 春色紙に






ほっといて 溶けて流れる雪ならば さわらずおこう 雨に任せて





冬まえに 小さな庭に蒔き置きし 寒肥 効きしかロビンの芽 張る


するすると 木立の間をすりぬけて 緑の風は香り残せり



無言の行 禅寺のごとき冬も終え 春の兆しに鼻歌の出る





病院の 大窓越しに見ゆ光り コーヒーすすれば いよいよ春めく






やはらかな 生成りの綿にくるまれて ひと時眠れ 如月 みそか


六時起き 出かける娘にお弁当 ボタン、アイロン 育児失敗か




 

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