気になる茶房

H.KUROKAWA



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2012年3月に詠みし歌


凍てつきし弥生三月朔日に春の息吹を探して雪国


やよい朝降る降る雪は春の陽に昼まで止んでおやつにゃもたぬかろ


ひそやかな茶房の文字に誘われて歩み入りたし春の路地へと

頼もしき若木となりてわがあこは 十四年経て手元へ返る


わだつみの御霊は帰る懐かしき桜待ちわぶ春雪の里


 



春の訪れを友たちに知らされ 詠む

梅の香の知らせを乗せて届きたるこぶしの切手ばっけの絵手紙

 

テーブルにばっけの天麩羅並べつつひなたの春 採取と語る友


召し物の色に異国を感じつつ土人形を求む春の夜



井澤氏 に捧ぐ

春の音運び来たりし君なれば花にもならむ蝶にもならむ

 



寒太郎暴れまくれり春彼岸供えた花も凍えたこの日



毎朝の恒例散歩陽の出前黒猫闇に消える門前



まだ家の中が、世界の全てだった頃の黒猫「さくら」

目の前をバスがスルッとスルーする私はあれに乗りたかったけど




 



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