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「窓辺に植木鉢のある家」
Photo Yukiko-KUROKAWA
2008年4月に詠める歌
歌の下に掲載されている写真の撮影者は詠み人は同じです。
桜咲き 抜歯決まりの うづきかも
(涙の一句)
歯科医院にて治療後、ふと思い出し詠める
抜きすてふ我が歯はまだき立ちにけり 白らも知れず残りおりしか
これやこのフラも花もわかれては 踊るも踊らぬも常磐ハワイ
フラの原ふりさけ見れば遥かなる ワイキキ浜に出し月かも
かささぎの見上げる空におく雲の 白きを見れば桜 綿がし
よぉよぉ売る若きおのこの声聞こゆ 今様唄いのらっぱぁにあらねど
「この般若湯がいいね」と君が飲んだから翌五月五日は自転車の日
田五の裏にうち出でてみればありゃま此処は何処 八橋本町三丁目
あさぼらけ 光画のありさま見てを詠める
太平の眠りを覚ますキーボード たった三句で今日も早起き
あしからずふつか三日のしだれ我 体調不良で絶やすメイルに
月見れば苫の西こそうれしけれ わが身ひとつの朝にあらねば
太閤の御歌二首に励まされ 勝てる気のする春の陣かな
君誘ふ花よりもなほわれはまた 春の弁当をいかにとやせむ
俳人は池にボチャンで振り返り パブロフの池と人は云うらむ
また、歯痛が始まり急遽予約しのちに詠める
世の中に絶えて虫歯の無かりせば われの心はのどけからまし
宴のため春の街角さがしいる 君に幸あれマルメロの花
最近は何故かマーガレットも早起きになり、パソコンの音の止む前にと
鉛筆片手に、うんうん言いながら何か書き物を・・・
気が付けば我より早起きユキりんの詠みける姿 妻は病ひか
見渡せば食べれる草もあるみたい 緑燃えいで宴は近づく
近づく宴を思ひて詠める2首
夏の夜の夢の浮橋とだえして 戯座に流るる繭色のとき
さやさやと夏こそ戯座に来にけらし 夜会の響きに街は静まる
パブロフシリーズ返歌
パブロフは裏づけするや己が説 犬を見る毎ベル鳴らしけり
ご心配をおかけする我が身をおふたりに詫びつつ詠める歌
歯痛ごとあやスマン めをと心わずらすことぞ心苦しけれ
最近の歌狂ひのやうすを凝視する幽体離脱的狂歌
近頃はカメラ持つ手をペンに換へ 撮るも詠むやも同じと思へば
忘れじの備忘の録帖いまいづ処 己の居場所も知らぬといふのに
筆有らばトイレの紙にもしたためり 此処でも一首できさふなので
疲れ身の針廻すごと眠りけむ 20時間はあか児以来か
三嶽根の桜過ぎたり早緑 すずめのおばさんハワイもなければ
やはらかな雲のソファーにくるまれて こんこんと寝る昭和の女
学び舎近く、古アパート二階にてスキヤキ豪遊せしを懐古して詠める
神田川 水面見下ろし鳴る喇叭 友は鍋持ち豆腐三丁
夏は来ぬ 盥の水は揺らめいて金波銀波の光り放てり
あなうれしあしたのあすは満開なり 久保田の杜はちりぬるを
スタートのピストルの音鳴り響く 宴会開始のゴール間近し
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