のるたるじや

詩人はどんなところにカメラを向けるんだろうかと興味があった・・・。


ワタクシAgXが中学の修学旅行で撮った「函館港」もなんか似たようなムードを持った一枚があったが

今は「詩人」とは対極的な位置にいるなー



朔太郎の父・密造は高名な開業医であり、地方の名士でしたし、

長男、家を継ぐことない、不肖の息子だったわけですね。

そんな家庭にあって、白眼視される兄を理解する妹がいました。

朔太郎にはユキ。4人の妹のうちの二番目の妹。

上州三大美女の一人という伝説的な美貌の妹。

〔写真参照〕

萩原朔太郎と妹


「幼き妹に」という、あまり知られない、朔太郎には珍しい詩があります

いもうとよ

  そのいぢらしい顔をあげ

  みよ兄は手に水桃(すいみつ)をささげもち

  いっさんにきみがかたへにしたひよる

  この東京の日ぐれどき

  兄の恋魚は青らみゆきて

  日ごとにいたみしたたり

  いきもたえだえ

  あい子よ

  ふたり哀しき日のしたに

  ひとしれず草木の種を研ぐとても

  さびしきはげに我らの素脚ならずや

  ああいとけなきおんみよ


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1902年(明治35年)頃、16歳の時最初のカメラを買って写真を始めた。

この時従兄である萩原栄次の日記に

「朔ちゃんが六五銭の写真機を買って来て、屋根の上から釣鐘堂を撮す」 とある。

この頃はパノラマでない通常の、おそらく軽便写真器を使っていたが、

明治期に撮影されたと思われるステレオ写真乾板も存在することから写真を始めて

10年程ですでにステレオカメラを入手し、その後は特にパノラマ写真を好んだ。

ステレオカメラに詳しい島和也によれば使ったカメラはジュール・リシャールのヴェラスコープではないかという。

前橋文学館に45×107mm判写真乾板が展示されている。これらの写真は妹の幸子の家で1972年に発見され、

前橋市立文化会館館長で若い頃から朔太郎の詩に魅せられ研究を続けていた野口武久の元に持ち込まれ、

7年をかけて撮影年代や場所を特定され、1979年『萩原朔太郎撮影写真集』として出版され、

また再編集の上で1994年10月

『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや-詩人が撮ったもうひとつの原風景』

として出版された。




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ここでちょっとステレオカメラの基本もお勉強しておきましょう。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

ヴェラスコープ

朔太郎が使ったと思われるのと同型のジュール・リシャール社のヴェラスコープ


ステレオカメラ (stereo camera) とは、複数の異なる位置からおなじ対象物を同時に撮影する事により、

その奥行き方向の情報を記録する事を可能とするカメラの事です。


通常は二つのレンズが一定の間隔にならんでいて、

一回の撮影操作で微妙に異なるアングルの二枚の写真を一度に撮影する事が可能である物を指します。


通常のカメラでは、

単一の平面に像を投影して撮影するため、奥行き方向の情報は失われてしまいますが、

ステレオカメラでの撮影では、物体を直接見たように立体的な空間把握のできる立体写真を得ることができるのです。


ステレオカメラで撮った画像から奥行き方向の情報が再現される原理については、

両眼視差も参照にして下さい。交通事故捜査・労災事故の捜査などにも威力を発揮しています。

最近では胃カメラも立体写真が撮れるようになっていますね。


過去にカメラメーカーからもステレオカメラは発売されていましたが、その種類は少ないです。

また、通常のカメラのレンズに装着し、立体写真を取れるようにするアダプタも存在します。

現像された画像は何も使わない立体視(平行法と交差法)によっても立体的に見られますが、

専用のスコープによって容易に立体視が可能です。


両眼視差 (りょうがんしさ、英:Binocular parallax, Binocular disparity) とは、右目と左目で見える像の差異のことです。

厳密に訳すならばBinocular parallaxが両眼視差であり、Binocular disparityは両眼像差と言うべきですかね。

しかし、日本語においては単に両眼視差と言った場合、Binocular disparity のことを指すことが多いようです。

単に視差と呼ぶこともあります。この両眼視差から奥行きを知覚することができるのです。

図1

上図のように物体を見る時、

右目と左目で物体の方向が異なります。


眼球は物体の方向に向くため、眼球の角度が奥行きの認識の指標となります。

また、物体から見て右目と左目とのなす角を輻輳角(ふくそうかく)と呼びます。

目のすぐ近くにある物体は右目と左目で見るのでは像が異なります。

その差異によって立体の奥行きを認識することができるのです。

しかし、あまりに目に近い場合は両眼の像を結合できず物体が二重になって見えるようになりますね。

また、眼球が物体の方向に向けられなくなることもあります。

図2

立体視の方式には、赤青メガネで見る“アナグリフ方式”( Anaglyph)、

ギザギザのレンズを貼った“レンチキュラー方式”(Lenticular)があります。


また、ステレオ写真(カメラ)を愛した有名人としては、

徳川慶喜、萩原朔太郎、横尾忠則、アイゼンハワー(米)大統領、映画俳優のハロルド・ロイド、赤瀬川源平さんなどが有名です。

朔太郎撮影

ちょっと萩原朔太郎のことを書いておきましょうね。

立体写真2

 

この写真も萩原朔太郎が撮影したものですが、

この人、大森に住んでいたことがあるらしく、

この場所は大森の暗闇坂と言われた場所です。

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