『ホワイト・マジック』
私たちの愛する弟、啓司が、2010年9月22日水曜日 午前2時36分
25年近くの闘病生活ののち旅立った。
弟の歌が掲載されている2005年5月に出版された『限りなき道 Ⅳ』より転載。
燦雲院釋啓念
このページの掲載写真を全て、弟 啓司に捧ぐ 芳南
『ホワイト・マジック』
--看護婦さんたちに感謝を込めて
--
黒 川 啓 司
通院日誰かと痛み分かち合う分かち合えると思える一日
出会う前からベテランのスタッフに見守られての一病息災
やせ我慢二度が限度と覚悟決め差し出す腕に触れる温もり
気を付けてという言葉を聞きたくて後姿にお先にという
にこやかにごめんなさいと話し掛け突き刺す君は白衣の天使
優しさを改めて知るトラブルの生じた時の君のまなざし
我ひとり穿刺に耐えたと思いつつ見上げる先に君の微笑み
真っ白なユニフォームにもその人の優しさという色ありと思う
穿刺終え透析開始のひと声で痛みの消えるホワイト・マジック